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内分泌代謝内科

内分泌代謝内科とは

ホルモンを合成し、それを血液中に分泌する臓器のことを内分泌臓器と言います。具体的には、甲状腺、下垂体、副甲状腺、副腎、膵臓、腎臓、卵巣、精巣など多くの臓器が該当します。内分泌臓器から分泌されるホルモン異常を診療するのが内分泌代謝内科です。

診察時に何らかの内分泌代謝疾患が疑われる場合は、血液検査(一般採血、負荷試験など)や画像検査(エコー、CTやMRIなど)を行い診断をつけていきます。その結果、精密な検査や入院が必要と医師が判断した場合は、当クリニックと提携している医療機関をご紹介します。

当診療科で取り扱う主な疾患

甲状腺疾患(バセドウ病、橋本病、甲状腺腫瘍 など)、下垂体疾患(下垂体腺腫、下垂体前葉機能低下症、尿崩症 など)、副腎疾患(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、副腎皮質機能低下症など)、副甲状腺疾患(副甲状腺機能亢進症、副甲状腺機機能低下症 など)、性腺疾患、糖尿病、脂質異常症、肥満症 など

当診療科で
よくみられる疾患

甲状腺疾患

甲状腺は喉ぼとけの直下にある蝶が羽を広げたような臓器です。大きさは約4~5㎝、重さは15~20g程度ですが、内分泌臓器としては最大の大きさでもあります。

この臓器では、ヨウ素(海藻類等に多く含まれる)を原料として甲状腺ホルモンの合成、分泌が行われます。甲状腺ホルモンは、エネルギー代謝や骨代謝への影響に加えて、子どもの成長・発達にも不可欠であるなど、多彩で重要な効果をもたらします。これが何らかの原因によって、甲状腺ホルモンの分泌が多くなったり、少なくなったりすると様々な症状がみられたり、甲状腺にできもの(腫瘍)が出来たりすることがあります。これが甲状腺疾患です。

甲状腺疾患は、大きく3つのタイプに分けられます。
1つ目は甲状腺の機能異常によって引き起こされる病気です。この場合、甲状腺ホルモンの働きが過剰になる甲状腺中毒症と甲状腺ホルモンの分泌が不足する甲状腺機能低下症に分類されます。代表的な疾患としては、前者がバセドウ病、後者には橋本病があります。
2つ目は甲状腺に炎症がみられることで起きるタイプです。急性化膿性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎が含まれるほか、橋本病も甲状腺の慢性的な炎症をきっかけとして甲状腺ホルモンの分泌が低下していくので、慢性甲状腺炎と呼ばれます。
3つ目は、甲状腺に腫れや結節(しこり)が発生し、甲状腺の形態が異常になっている状態です。甲状腺全体が腫大化していくびまん性甲状腺腫、甲状腺にしこりができる甲状腺腫瘍(良性・悪性)があります。

バセドウ病

バセドウ病は、甲状腺ホルモン合成が過剰な状態である甲状腺機能亢進症の代表的な疾患です。バセドウ病は、甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体刺激型抗体によって甲状腺濾胞細胞の増殖と甲状腺ホルモン合成が亢進する、自己免疫疾患の1つです。女性患者が多く、その数は男性の約4~5倍です。後発年齢は20~40代ですが、高齢化と共に70-80歳代で発症する方もいらっしゃいます。

よくみられる症状は、甲状腺の腫れ(腫大)です。また甲状腺ホルモン合成が過剰なことで、代謝が異常に活発になることから、発汗、食欲旺盛、体重減少、易疲労性、手が震える、口が乾く、下痢、倦怠感、イライラする、不眠などの症状が認められます。抗体が眼周囲を刺激することで、眼球突出や眼瞼の浮腫、複視、視力低下などの症状が出現することもあります。

検査について

確定診断のために血液検査で甲状腺ホルモンの測定、甲状腺機能に関連する抗体検査を行います。血中甲状腺ホルモンが過剰にも関わらず抗体が陰性の場合には、甲状腺シンチグラフィ検査が行われます。さらに甲状腺超音波検査によって腫大の度合いや腫瘤の有無を確認します。

治療について

薬物療法、放射性ヨード内用療法、手術療法の3種類の治療法があります。

基本は薬物療法です。甲状腺ホルモンの分泌を抑制する効果がある抗甲状腺薬(チアマゾール、プロピルチオウラシル 等)を服用します。治療薬の選択は全身状態により異なります。抗甲状腺薬にも副作用があり、具体的には、かゆみや皮疹、肝機能障害、無顆粒球症、関節や筋肉の痛みなどです。内服開始後に上記症状が出現した場合は速やかに医師の診察を受けるようにしてください。

なお抗甲状腺薬では症状が改善しない、副作用が強く出るなど薬物療法の継続が困難な方では、放射性ヨード内用療法や手術療法を考慮します。
放射性ヨード内用療法では、放射性ヨウ素を含むカプセルを内服します。放射性ヨウ素は甲状腺に集まり、そこで放射性ヨウ素はβ線を放出し、甲状腺ホルモンの分泌を抑制します。長い歴史があり、治療効果も高く、有効な治療法です。原則として適応は19歳以上、また妊婦、授乳婦は禁忌です。

手術療法は、甲状腺癌などの腫瘍を合併した場合や放射性ヨード内用療法を希望されない場合に行われます。

橋本病

慢性的に甲状腺に炎症がみられることから慢性甲状腺炎とも呼ばれます。バセドウ病と同様に女性が多く(とくに30代~50代)、男性患者と比較するとその数は10~20倍近くになると言われています。

橋本病は、甲状腺に対する自己免疫疾患の1つです。血中にサイログロブリンや甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)に対する抗体が存在することで、甲状腺の濾胞構造が破壊されると徐々に甲状腺ホルモン分泌が低下し、やがて機能低下が引き起こされ、様々な症状が現れます。

よくみられる症状は、甲状腺の腫れです。また甲状腺の機能が低下すると、思考力や記憶力の低下、発汗作用の低下、皮膚が乾燥する、徐脈、貧血、疲れやすい、寒がり、体重増加、便秘、声がかれる(嗄声)、むくみ(まぶた、舌、口唇 等)のほか、女性では月経異常も起きるようになります。

検査について

確定診断のために、血液検査で甲状腺ホルモンや甲状腺刺激ホルモンを確認するほか、自己抗体についても調べます。また甲状腺機能低下症ではLDL(悪玉)コレステロールCK、LDHの上昇など他の項目にも影響します。さらに甲状腺超音波検査によって腫大の度合いや腫瘤の有無を確認します。

治療について

橋本病と診断されても、腫れがそれほど大きくない、甲状腺機能が正常の場合は、経過観察は必要となりますが、何らかの治療を行うことはありません。

甲状腺の機能低下が明らかな方では、薬物療法として甲状腺ホルモンを補充します。この場合、甲状腺ホルモン製剤を少量から内服し、徐々に増やします。服用方法は医師の指示に従ってください。

休診日:火曜、土曜午後、日曜、祝日
内科 日祝
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